病院で検査をしても血圧や心臓に異常はない。しかし、特定の場面、例えば人混みや静まり返った会議室、高い場所などに行くと決まって脳貧血のような症状が出る。このようなケースにおいて、近年注目されているのが「心因性」の要因です。私たちの脳は、不安や緊張を過度に感知すると、身を守るための防衛本能として自律神経をパニック状態に陥らせます。すると、実際には血液が足りているにもかかわらず、脳が「危険だ、血圧を下げて休息せよ」と誤った指令を出し、脳貧血に酷似した症状を引き起こすのです。これと非常によく似ていて見分けがつきにくいのがパニック障害です。両者の決定的な違いは、症状の「広がり」にあります。脳貧血が主に視界の暗転や脱力感を中心とするのに対し、パニック障害は「死ぬのではないか」という強烈な恐怖感、激しい動悸、そして窒息感といった、より劇的な全身症状を伴います。もし、あなたの脳貧血が特定の心理的ストレスと密接に連動していると感じるなら、今すぐできる治し方は「グラウンディング」という技法です。足の裏が地面にしっかり着いている感覚を意識し、周囲にある5つの見えるもの、4つの聞こえるもの、3つの触れられるもの、2つの嗅げるものを心の中で数え上げるのです。これにより、暴走していた脳の注意力を「外の世界」へと引き戻し、自律神経のオーバーヒートを鎮めることができます。また、腹式呼吸を習慣化し、吐く息を吸う息の2倍の長さにすることも、副交感神経を強制的に呼び覚ます物理的なスイッチとなります。心を整えることは、脳の血流を整えることと同義です。自分は弱いから倒れるのではない、自分の脳がそれだけ周囲の環境に敏感に反応し、必死に自分を守ろうとしているのだと肯定的に捉え直してみてください。心理的な安全地帯を自分の中に作り出す技術を身につけることが、不透明な不安から来る脳貧血を克服するための、最も本質的で即効性のある処方箋となるはずです。
心因性脳貧血とパニック障害の見分け方と心を整える即効薬