病院監査は、医療機関の運営におけるさまざまな側面を評価しますが、その中で特に指摘されやすい共通のポイントがいくつか存在します。これらの指摘事項は、病院が改善に取り組むべき優先順位の高い領域を示しており、監査対策を講じる上で重要な手がかりとなります。主な指摘事項としては、医療安全管理体制の不備、診療記録の不完全性、医薬品・医療機器の管理不適切さ、個人情報保護の甘さ、そして財務・経理処理の透明性不足が挙げられます。まず「医療安全管理体制の不備」は、最も頻繁に指摘される項目の一つです。これには、医療事故やヒヤリ・ハット事例の報告・分析体制の不十分さ、再発防止策の未徹底、職員への医療安全研修の不足、感染症対策のプロトコル未遵守などが含まれます。特に、マニュアルは存在するものの、それが現場で適切に運用されていないケースは多く、監査で実態との乖離が指摘されやすいです。次に「診療記録の不完全性」もよくある指摘です。カルテの記載漏れ、不適切な略語の使用、同意書の取得漏れ、診療記録の保管体制の不備などがこれに当たります。診療記録は、患者への医療提供の根拠となるだけでなく、法的な証拠としても非常に重要であるため、その正確性と完全性は常に求められます。三つ目に「医薬品・医療機器の管理不適切さ」も重要な指摘事項です。医薬品の保管場所、温度管理の不備、使用期限切れの医薬品の放置、高額医療機器の保守点検記録の不足、医療機器の誤使用防止策の不徹底などが挙げられます。これらは患者の安全に直結するため、厳格な管理体制が求められます。四つ目に「個人情報保護の甘さ」も近年の監査で重視される傾向にあります。患者情報の不正アクセス対策、電子カルテシステムのセキュリティ対策、個人情報を含む書類の不適切な廃棄、職員に対する情報セキュリティ教育の不足などが指摘の対象となります。情報漏洩は病院の信頼を大きく損なうため、徹底した対策が求められます。