病院で行われる監査は、その目的と実施主体によっていくつかの種類に分けられます。それぞれの監査が持つ特定の目的を理解することは、病院が医療の質と経営の健全性を維持する上で不可欠です。主な監査の種類としては、内部監査、外部監査(公的機関による監査、第三者機関による認証評価)、そして医療安全監査などが挙げられます。まず「内部監査」は、病院内部の部署や専門チームが、自院の業務プロセス、財務状況、医療の質、リスク管理体制などを自主的に評価するものです。その主な目的は、組織内の問題点を早期に発見し、業務効率の向上、不正の防止、そして内部統制の強化を図ることにあります。例えば、診療ガイドラインの遵守状況、医療機器の保守点検記録、職員の研修受講状況などが監査対象となります。内部監査の結果は、病院経営層に報告され、改善計画の策定に役立てられます。次に「外部監査」は、病院の外部組織によって行われる監査です。これには、大きく分けて公的機関による監査と第三者機関による認証評価があります。公的機関による監査の典型例は、医療法に基づく都道府県の立ち入り検査や、診療報酬請求の適正性を確認するための厚生労働省による監査などです。これらは、医療機関が法規制を遵守し、公的な医療システムの中で適切に機能しているかをチェックすることを目的としています。一方、第三者機関による認証評価は、日本医療機能評価機構による病院機能評価などが代表的です。これは、特定の評価基準に基づいて医療の質、安全性、患者サービスなどを総合的に評価し、一定の水準を満たしている病院を認証するものです。この目的は、医療の質の向上を促し、患者が安心して医療機関を選べるようにすることにあります。また「医療安全監査」は、特に医療事故の発生防止と再発防止に焦点を当てた監査です。インシデント・アクシデント報告書の分析、医療安全管理体制の評価、リスクの高い診療プロセスの点検などが行われます。その目的は、患者の安全を最優先に、医療提供プロセスにおける潜在的なリスクを特定し、安全対策の強化を図ることにあります。これら以外にも、特定のテーマに特化した監査が行われることもあります。