季節別・日常別の医療と健康の知識提供

2025年9月
  • なぜ大人は突発性発疹にほとんどかからないのか

    医療

    子供が突然の高熱を出し、数日後に熱が下がると同時に全身に発疹が現れる。これが典型的な突発性発疹の経過です。看病する親としては、こんなに強い感染症なら自分にもうつるのではないかと心配になるかもしれません。しかし、現実には、大人が突発性発疹を発症することはほとんどありません。その背景には、私たちの免疫システムと、原因ウイルスの巧みな生存戦略が隠されています。突発性発疹の原因ウイルスであるヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)は、非常にありふれたウイルスです。感染経路は主に、感染者の唾液に含まれるウイルスによる経口感染や飛沫感染と考えられています。多くの赤ちゃんは、生後半年頃になると母親から受け継いだ免疫(移行抗体)が切れてくるため、このタイミングで、両親や祖父母など、身近な大人とのスキンシップや、同じ食器を使うことなどを通じて、初めてウイルスに感染します。つまり、ほとんどの大人は、自分が気づかないうちに、すでにこのウイルスの「運び屋(キャリア)」となっているのです。そして、一度感染すると、ウイルスは体から完全にいなくなるわけではありません。ヘルペスウイルスの仲間に共通する特徴として、感染後は体内の唾液腺などに潜伏し、生涯にわたって共存し続けます。そして、体調が優れない時などに、唾液中に再びウイルスを排出することがあります。これを「再活性化」と呼びます。大人が突発性発疹にかからない最大の理由は、この「既感染」にあります。幼少期に一度感染し、体内に抗体を持っているため、たとえ子供から大量のウイルスを浴びたとしても、免疫システムがそれをブロックし、発症に至ることはないのです。これは、一度かかると二度とかからないとされる、はしかや水ぼうそうと同じ原理です。言い換えれば、大人が突発性発疹にかからないのは、強いからではなく、すでに感染済みだから、というわけです。このウイルスの巧妙な感染サイクルを理解すれば、子供が発症しても、大人が冷静に対応できる理由が見えてくるでしょう。

  • 片足のかかとの後ろが痛いなら整形外科へ

    医療

    歩き始めの一歩、あるいは階段を上る時、片足のかかとの後ろにズキリとした痛みが走る。最初は気のせいかと思っても、痛みが続くようになると不安になるものです。特に、片足だけに症状が出ている場合、何が原因なのだろうかと悩む方は少なくないでしょう。このような症状で最初に頼るべき専門家は、整形外科医です。かかとの後ろの痛みは、その大部分がアキレス腱とその周辺組織のトラブルに起因します。アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐ、体の中で最も強靭な腱です。このアキレス腱が付着するかかとの骨の周りには、スムーズな動きを助けるための滑液包という袋や、腱を覆う膜など、複雑な組織が存在します。ランニングなどのスポーツや、長時間の歩行、あるいは合わない靴を履き続けるといったことが原因で、これらの組織に過度な負担がかかると、炎症が起きて痛みが生じるのです。代表的な疾患には、アキレス腱そのものや周囲の組織が炎症を起こす「アキレス腱周囲炎」や、アキレス腱がかかとの骨に付着する部分で炎症が起きる「アキレス腱付着部症」などがあります。整形外科では、まず問診でいつから、どのような時に痛むのかを詳しく聞き、触診で痛みの場所や腫れの有無を確認します。さらに、レントゲン検査でかかとの骨に異常な出っ張り(骨棘)がないか、超音波(エコー)検査でアキレス腱や滑液包の状態をリアルタイムで観察するなど、科学的な根拠に基づいて痛みの原因を正確に診断します。原因が特定できれば、それに応じた適切な治療へと進むことができます。たかがかかとの痛みと侮らず、運動器の専門家である整形外科を受診することが、つらい症状から解放されるための最も確実な第一歩となります。

  • その膝の痛みはリウマチや痛風かもしれない

    医療

    膝の痛みに悩んだ時、多くの人がまず整形外科を思い浮かべますが、痛みの原因は骨や軟骨の問題だけとは限りません。中には、体の内部からくる内科的な病気が、膝に関節炎を引き起こしているケースもあります。特に、関節リウマチと痛風は、膝の痛みの原因として見逃してはならない代表的な疾患です。まず、関節リウマチは、免疫システムの異常によって、自分自身の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患です。その特徴は、朝起きた時に関節がこわばって動かしにくい「朝のこわばり」や、片膝だけでなく両膝、さらには手首や指の関節など、複数の関節に対称的に痛みや腫れが現れることです。微熱や倦怠感を伴うことも少なくありません。このような症状がある場合、専門となるのはリウマチ科や膠原病内科です。血液検査でリウマチ因子や抗CCP抗体といった特殊な項目を調べることで診断します。近年、治療薬が劇的に進歩しており、早期発見と早期治療が、将来の関節破壊を防ぐ上で非常に重要です。次に、痛風は、血液中の尿酸値が高くなることで、尿酸が結晶となって関節に溜まり、突然激しい炎症を引き起こす病気です。一般的には足の親指の付け根に発症することで知られていますが、膝の関節に起こることも珍しくありません。ある日突然、膝が赤くパンパンに腫れ上がり、熱を持って、歩けないほどの激痛に襲われるのが特徴です。この場合は、内科やリウマチ科が専門となります。血液検査で尿酸値を確認し、痛み止めの薬で急な発作を抑えつつ、尿酸値をコントロールする薬を継続的に服用する治療が行われます。このように、膝の痛みと言っても、その原因は様々です。もし、単なる痛みだけでなく、他の関節の症状や、熱感、強い腫れ、朝のこわばりといったサインが見られる場合は、整形外科だけでなく、内科やリウマチ科の受診も視野に入れることが大切です。

  • 副鼻腔炎が招く顔の腫れと発熱の正体

    医療

    発熱とともに、目の下や頬、眉間のあたりが重苦しく痛み、顔全体がむくんでいるように感じる。そんな症状に心当たりがあるなら、それは副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症が原因かもしれません。副鼻腔とは、鼻の周りの骨の中にある空洞のことで、鼻と細い通路で繋がっています。風邪などをひいて鼻の粘膜に炎症が起こると、この通路が塞がってしまい、副鼻腔の中に細菌やウイルスが繁殖し、膿が溜まってしまうのです。これが急性副鼻腔炎です。膿が溜まった副鼻腔では強い炎症が起こるため、体は発熱という形で反応します。そして、炎症が起きている場所のすぐ上にある皮膚、つまり目の下や頬などが腫れ、顔のむくみとして感じられるのです。特に、前かがみになったり、頭を下げたりすると、副鼻腔の内圧が高まるため、顔の痛みや頭痛が悪化するのが特徴です。粘り気のある黄色や緑色の鼻水が出たり、鼻が詰まって匂いがわからなくなったりするのも典型的な症状です。この病気の専門家は、耳鼻咽喉科医です。耳鼻咽喉科では、鼻の中を直接観察したり、レントゲンやCT検査で副鼻腔に膿が溜まっていないかを確認したりして診断を下します。治療の基本は、原因となっている細菌を叩くための抗生物質の服用です。また、鼻の通りを良くする薬や、炎症を抑える薬も併用します。クリニックでは、鼻水を吸引したり、霧状の薬を鼻から吸入するネブライザー治療を行ったりすることもあります。ほとんどの場合はこれらの治療で改善しますが、症状が重い場合や慢性化してしまった場合には、手術が必要となることもあります。長引く風邪だと思っていたら、実は副鼻腔炎だったというケースは非常に多く見られます。ただの鼻風邪と侮らず、発熱と顔の痛みやむくみを感じたら、一度、耳鼻咽喉科で専門的な診察を受けてみることをお勧めします。

  • 突然の顔の腫れと発熱はアレルギーも疑う

    医療

    普段と変わらない生活を送っていたのに、突然、顔、特にまぶたや唇がパンパンに腫れ上がり、同時に熱っぽさを感じる。このような急激な症状は、重いアレルギー反応のサインである可能性があり、注意が必要です。アレルギーによるむくみは「血管性浮腫」と呼ばれ、皮膚の深い部分で血管から水分が漏れ出すことで起こります。通常の蕁麻疹のような盛り上がった発疹とは異なり、境界がはっきりしない、腫れぼったいむくみが特徴です。この血管性浮腫は、食物アレルギーや薬剤アレルギー、虫刺されなどが引き金となって現れることがあります。原因となるアレルゲンが体内に入ると、免疫システムが過剰に反応し、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。これが血管に作用してむくみを引き起こし、体の炎症反応として発熱を伴うことがあるのです。特に危険なのは、この症状がアナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応の一部として現れている場合です。顔のむくみや発熱に加えて、全身の蕁麻疹、息苦しさ、声のかすれ、めまい、意識が遠のく感じといった症状が急速に進行するなら、それは命に関わる緊急事態です。気道がむくんで窒息に至る危険があるため、一刻も早く救急車を呼び、専門的な治療を受ける必要があります。アレルギー反応が疑われる場合、受診すべき診療科はアレルギー科や皮膚科、あるいは内科です。血液検査でアレルギーの原因物質を特定したり、症状を抑えるための抗ヒスタミン薬やステロイド薬を処方してもらったりします。もし、過去に特定のものを食べたり、薬を飲んだりした後に似たような症状を経験したことがあるなら、その情報も必ず医師に伝えてください。突然の顔のむくみと発熱は、体が発する危険信号かもしれません。特に呼吸に違和感がある場合は、決して様子を見ることなく、直ちに医療機関へ向かいましょう。

  • 溶連菌治療で舌のつぶつぶはいつ治るのか

    医療

    溶連菌感染症と診断され、抗生物質による治療が始まると、親として気になるのは、子供のつらい症状がいつ和らぐのか、そしてあの痛々しい「いちご舌」はいつになったら元に戻るのか、ということでしょう。特に、食事のたびに「舌が痛い」と訴える姿を見るのは忍びないものです。回復の経過には個人差がありますが、一般的な目安を知っておくと、少し安心して見守ることができます。まず、抗生物質を服用し始めると、その効果は比較的速やかに現れます。多くの場合、服用開始から二十四時間から四十八時間以内には、高かった熱が下がり始め、激しかった喉の痛みも次第に和らいでいきます。舌の症状の回復は、全身症状よりは少しゆっくりと進みます。舌の表面を覆っていた白い苔が剥がれ落ち、真っ赤な「いちご舌」の状態がピークを迎えるのが、発症から三日から五日目頃です。この時期が、舌の痛みや味覚の違和感を最も強く感じるかもしれません。しかし、抗生物質による治療が順調に進んでいれば、このピークを過ぎたあたりから、舌の炎症も徐々に鎮まっていきます。舌の先端から目立っていた赤いブツブツは、少しずつその腫れが引き、舌全体の赤みも薄らいでいきます。そして、発症から一週間から十日も経つ頃には、ほとんどの場合、舌は元の滑らかな状態に戻ります。大切なのは、この回復過程の途中で症状が楽になったからといって、自己判断で抗生物質の服用をやめてしまわないことです。医師から指示された期間、通常は十日間程度、薬をきっちりと飲み切ることが、体内に潜む溶連菌を完全に除去し、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった危険な合併症を防ぐために絶対に必要です。舌のつぶつぶが消えていくのは、体が着実に回復している証拠です。焦らず、医師の指示を守って、最後までしっかりと治療を続けましょう。

  • 片足だけがへこむ!急いで病院へ行くべき理由

    知識

    すねのむくみは両足に起こることが多いですが、もし片足だけ、例えば右足だけがパンパンに腫れて、押すとへこんだまま戻らないという場合は、特に注意が必要です。これは、全身性の病気ではなく、その足の局所的なトラブル、しかも緊急性の高い病気が隠れている可能性を示唆しています。片足だけの急なむくみで最も警戒すべき病気が、「深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)」です。これは、いわゆる「エコノミークラス症候群」としても知られ、足の深い部分にある静脈に血の塊、つまり血栓ができて詰まってしまう病気です。長時間同じ姿勢でいることや、脱水、手術後などが引き金となります。血栓によって血流がせき止められるため、その先の足が急にむくみ、痛みや赤み、熱っぽさを伴うのが特徴です。この病気の本当に怖いところは、足にできた血栓が血流に乗って剥がれ、肺の血管に詰まってしまう「肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)」を引き起こす可能性があることです。肺の血管が詰まると、突然の激しい胸の痛みや呼吸困難に襲われ、命に関わることもあります。そのため、片足だけの急なむくみと痛みは、救急疾患と考えるべきです。受診すべき診療科は、循環器内科や血管外科です。超音波検査で足の静脈に血栓がないかを調べ、診断が確定すれば、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)による治療を直ちに開始します。他にも、足のリンパの流れが悪くなるリンパ浮腫や、細菌感染による蜂窩織炎(ほうかしきえん)などでも片足だけのむくみが起こることがありますが、いずれにせよ専門家による診断が不可欠です。両足のむくみとは異なり、片足だけの急なむくみは、血管が詰まっているという緊急信号です。様子を見ている時間はありません。すぐに医療機関を受診してください。

  • 膝の痛みで病院へ行く前に準備しておきたいこと

    知識

    つらい膝の痛みを感じ、いざ病院へ行こうと決めた時。限られた診察時間の中で、医師に自分の状態を正確に伝え、的確な診断を下してもらうためには、事前に少しだけ準備をしておくと非常にスムーズです。要点を押さえた情報提供は、医師が診断を下す上での大きな助けとなり、結果としてあなた自身の利益に繋がります。ぜひ、以下の項目について、簡単なメモを作成してから受診してみてください。まず、痛みの詳細について整理しましょう。「いつから痛むのか」「何かきっかけはあったか(怪我、スポーツなど)」「どんな時に痛みが強くなるか(歩き始め、階段の上り下り、正座など)」「逆に、どんな姿勢だと楽になるか」といった情報は、原因を推測する上で基本となります。また、「膝のどのあたりが痛むか(内側、外側、お皿の周りなど)」や、「痛みの種類(ズキズキ、ジンジン、重だるいなど)」も具体的に伝えられると良いでしょう。次に、膝の痛み以外の症状、いわゆる付随症状がないかを確認します。「膝が腫れているか、熱を持っているか」「膝がカクカクする、引っかかる感じがするか」「膝に力が入らない、崩れるような感じがするか」といった膝関節そのものの症状や、他の関節にも痛みやこわばりがないか、といった点も重要な情報です。これまでの経緯も思い出しておきましょう。過去に同じような痛みを経験したことがあるか、他の病院や整骨院で治療を受けたことがあるか、その場合の効果はどうだったか、といった情報も医師の参考になります。そして、忘れてはならないのが、現在治療中の病気や服用している薬についてです。お薬手帳を持参するのが最も確実です。最後に、服装にも少し気を配ると診察がスムーズです。膝の状態を直接見たり、触ったりする必要があるため、ジーンズのような硬くて膝までまくれないズボンは避け、スカートや、ゆったりとして膝を出しやすいズボンで受診するのがおすすめです。このように、少しの手間をかけて準備をすることで、医師とのコミュニケーションは格段に円滑になります。不安な気持ちを抱えて受診するのではなく、自分の体の情報を整理して臨むことで、より安心して診察を受けられるはずです。

  • 大人の水疱瘡治療と自宅での正しい過ごし方

    生活

    大人が水疱瘡と診断された場合、その治療と療養は子供のケースとは異なる注意が必要です。重症化のリスクを抑え、つらい症状を少しでも和らげ、そして確実に回復するためには、適切な医療と正しい自宅での過ごし方が鍵となります。まず、水疱瘡が疑われる症状、つまり発熱と特徴的な発疹に気づいたら、速やかに医療機関を受診することが最も重要です。この時、周囲への感染を防ぐため、事前に電話で症状を伝え、病院の指示に従って受診しましょう。医療機関では、多くの場合、アシクロビルやバラシクロビルといった抗ウイルス薬が処方されます。この薬は、水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える働きがあり、発症から七十二時間以内に服用を開始することで、症状の重症化や合併症のリスクを軽減する効果が期待できます。医師から処方された薬は、指示通りに必ず最後まで飲み切ることが大切です。治療の基本は、薬物療法と並行して、自宅で安静に過ごすことです。高熱が出ている間は、脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給を心がけましょう。食事は、口の中に発疹ができていることも多いため、喉越しの良いおかゆやゼリー、スープなど、刺激の少ないものがおすすめです。そして、療養期間中で最もつらいのが、激しいかゆみとの闘いです。かきむしってしまうと、水ぶくれが破れて細菌感染を起こし(二次感染)、痕が残りやすくなります。かゆみを和らげるために、医師から抗ヒスタミン薬の飲み薬やかゆみ止めの塗り薬が処方されることがあります。自宅でのケアとしては、患部を冷たいタオルで冷やしたり、爪を短く切っておいたりするのも有効です。入浴については、高熱がある間や水ぶくれが新しい間は避け、シャワーで汗を流す程度にしましょう。石鹸をよく泡立て、優しく洗い、タオルで押さえるように水分を拭き取ることが大切です。全ての水ぶくれがかさぶたになるまで、辛い日々が続きますが、焦らず、体を休めることに専念してください。

  • ある日突然片足のかかとが!私の闘病体験記

    医療

    健康だけが取り柄だと思っていた私に、異変が起きたのは去年の秋でした。趣味で始めた週二回のジョギング。その日もいつものように公園を走っていた時、右足のかかとの後ろに、ピリッとした小さな痛みを感じました。大したことはないだろうと、その日はそのまま走り終えましたが、翌朝、ベッドから降りて最初の一歩を踏み出した瞬間、アキレス腱の付け根あたりに激痛が走り、思わず声を上げてしまいました。歩けないほどではないものの、明らかに何かがおかしい。特に、階段を上る時の蹴り出す動作が辛く、日常生活に支障をきたし始めました。インターネットで症状を検索すると、アキレス腱炎や断裂といった怖い言葉が並び、不安は募るばかり。意を決して近所の整形外科を受診しました。医師は私の話を丁寧に聞き、痛む場所を指で押したり、アキレス腱の状態を確かめたりした後、「超音波で見てみましょう」と言いました。エコーの画面には、私の右のアキレス腱の付着部が、左に比べて少し厚くなり、周りに炎症を示す影が映っていました。診断は「アキレス腱付着部症」でした。原因は、おそらく硬いアスファルトの上でのランニングと、私のふくらはぎの筋肉の硬さだろうとのこと。治療方針は、まずジョギングを完全に休むこと、そして毎日お風呂上がりにアキレス腱のストレッチを念入りに行うことでした。さらに、炎症を抑えるための湿布も処方されました。その日から、私は言われた通りにストレッチを続けました。最初は痛くてなかなか伸ばせませんでしたが、三日、一週間と続けるうちに、少しずつ痛みが和らいでいくのがわかりました。二週間後には、朝の一歩目の激痛はなくなり、日常生活も楽になりました。完全に痛みが消えるまでには一ヶ月ほどかかりましたが、あの時、自己判断で走り続けずに病院へ行って本当に良かったと思います。たかがかかとの痛みと侮らず、専門家の診断を仰ぐことの大切さを実感した出来事でした。

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