突然の激しい吐き気と嘔吐、そして水のような下痢。冬場にこのような症状に襲われた時、多くの人が真っ先に疑うのが「ノロウイルス感染症」でしょう。その苦しさは経験した人にしか分からないほど強烈で、一刻も早く医師の助けを求めたいと思うのは当然です。しかし、いざ病院へ行こうにも、「このつらい症状は、一体何科で診てもらえばいいのだろう?」と迷ってしまう方は少なくありません。結論から言うと、ノロウイルスが疑われる場合、まず受診すべき診療科は「内科」または「消化器内科」です。これらの診療科は、食中毒を含む消化器系の疾患全般を専門としており、問診や症状の経過から、ノロウイルス感染症の可能性を的確に判断してくれます。ノロウイルスには特効薬がないため、治療は主に、脱水を防ぐための水分補給の指導や、症状を和らげるための整腸剤、吐き気止め、解熱剤などの処方(対症療法)が中心となります。特に、嘔吐がひどく、水分補給が困難な場合には、点滴による水分・電解質の補給が必要となるため、内科系のクリニックや病院の受診が不可欠です。小さなお子さんの場合は、体の水分量が少なく、脱水症状に陥りやすいため、かかりつけの「小児科」を速やかに受診してください。小児科医は、子供の体重や状態に合わせた適切な水分補給の指導や、必要に応じた処方を行ってくれます。また、かかりつけ医がいない場合や、夜間・休日でクリニックが閉まっている時に症状が出た場合は、「休日夜間急患センター」や、病院の「救急外来」を受診することになります。ただし、ノロウイルスは非常に感染力が強いため、医療機関を受診する際には、事前に電話で症状を伝え、指示を仰ぐことが重要です。他の患者さんへの感染を防ぐため、待合室を分けたり、別の入口から案内されたりすることがあります。マスクを着用し、他の場所に触れないようにするなどの配慮も忘れないようにしましょう。
ノロウイルスかも?その時、何科を受診すべきか