あれは忘れもしない、1月の寒い日の夜でした。夕食を終えてくつろいでいた時、突然、胃がひっくり返るような、強烈な吐き気に襲われました。慌ててトイレに駆け込むと、夕食に食べたものがすべて逆流してくるかのような、激しい嘔吐が始まったのです。一度吐くと少し楽になるかと思いきや、吐き気は波のように何度も押し寄せ、胃の中が空っぽになっても、胃液まで吐き続けるありさまでした。その数時間後、今度は腹部に激痛が走り、水のような下痢が始まりました。トイレから出られないほどの頻回な下痢と、止まらない嘔吐。体中の水分がすべて奪われていくような感覚と、全身の倦怠感で、私はベッドの上でぐったりと動けなくなりました。熱も38度を超え、「これはただの食あたりではない」と確信しました。翌朝、衰弱しきった体を引きずるようにして、近所の内科クリニックへ向かいました。クリニックに電話すると、症状からノロウイルスの可能性が高いと判断され、他の患者さんとは別の入口から診察室へ通されました。医師は私の消耗しきった様子を見て、すぐにノロウイルス感染症を疑い、脱水状態を改善するための点滴を始めることを決定しました。冷たい点滴の液体が血管に入っていくのを感じながら、私は昨日の食事を思い出していました。昼間に食べた、加熱用のカキを数個、生で食べてしまったのです。医師にそのことを伝えると、「おそらく、それが原因でしょうね」と告げられました。ノロウイルスに直接効く薬はないため、治療は点滴と、処方された整腸剤、そして何よりも自宅での水分補給と安静が中心になるとのこと。その日は点滴のおかげで少し体力が回復し、帰宅することができましたが、その後も2日間は下痢と微熱が続きました。普通の食事ができるようになったのは、発症から5日後のことでした。この経験を通じて、私はノロウイルスの恐ろしさを身をもって知りました。ほんの数個のカキが、これほどの地獄の苦しみをもたらすとは。もう二度と、あの苦しみを味わいたくないと心に誓った出来事です。
地獄の嘔吐と下痢。私がノロウイルスと診断された日