発熱と顔のむくみは、多くの場合、治療によって改善する病気のサインですが、中には放置すると命に関わる、あるいは重い後遺症を残す可能性のある危険な状態を示していることがあります。いつもの不調と違う、と感じた時に、緊急受診すべき危険なサインを知っておくことは非常に重要です。まず、むくみの進行速度と範囲に注目してください。数時間のうちに、顔だけでなく唇や舌、喉まで急激に腫れてきた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。息苦しさ、声のかすれ、めまいを伴うなら、気道が塞がり窒息する危険があるため、一刻を争います。これは迷わず救急車を呼ぶべき状況です。次に、意識の状態を確認します。高熱とともに、呼びかけへの反応が鈍い、話が噛み合わない、意味不明なことを言うといった意識障害が見られる場合は、髄膜炎や脳炎など、中枢神経系の感染症が疑われます。これも極めて危険なサインです。また、これまでに経験したことのないような激しい頭痛を伴う場合も注意が必要です。発熱と顔のむくみという症状に、我慢できないほどの頭痛が加わった時は、脳内の深刻なトラブルの可能性も考えられます。尿の状態も重要な判断材料です。尿がほとんど出なくなった、あるいは尿の色が赤黒く、コーラのような色をしている場合は、急性腎不全を起こしている可能性があります。腎機能が停止すると、体内に毒素が溜まり、命に関わるため、緊急の治療が必要です。これらの危険なサイン、すなわち「急激に広がるむくみと呼吸困難」「意識障害」「激しい頭痛」「尿の異常」が一つでも見られた場合は、翌朝まで様子を見ようなどとは考えず、直ちに救急外来を受診するか、救急車を要請してください。自己判断が最も危険です。体が発する緊急警報を正しく受け止め、迅速に行動することが、あなた自身や大切な人の命を守ることに繋がります。
危険な発熱と顔のむくみを見分ける方法