サッカーやバスケットボールでの急な方向転換、ジャンプからの着地、あるいは長距離ランニングの繰り返し。スポーツに打ち込む人にとって、膝は最も酷使され、怪我をしやすい部位の一つです。練習中に膝に激痛が走ったり、慢性的な痛みに悩まされたりした時、どこで診てもらうべきなのでしょうか。答えは明確です。スポーツによる膝の痛みや怪我は、迷わず整形外科を受診してください。特に、医師がスポーツ障害の治療に精通している「スポーツ整形外科」を標榜しているクリニックや病院を選ぶのが理想的です。スポーツによって引き起こされる膝の怪我は多岐にわたります。急なストップや方向転換で膝を捻り、「ブチッ」という音とともに激痛が走った場合は、膝の安定性を保つ重要な靭帯である「前十字靭帯損傷」や、クッションの役割を果たす「半月板損傷」が疑われます。これらは放置すると膝の不安定感が残り、将来的に変形性膝関節症へと進行するリスクが高まるため、MRIなどによる正確な診断と、適切な治療が不可欠です。また、ジャンプ動作を繰り返すことで膝のお皿の下が痛くなる「ジャンパー膝」や、ランニングで膝の外側が痛くなる「ランナー膝(腸脛靭帯炎)」といった、特定の動作の繰り返しによって起こる「オーバーユース(使いすぎ)」による障害も多く見られます。スポーツ整形外科では、単に痛みを診断し治療するだけではありません。選手の競技レベルや目標を理解し、競技の特性を考慮した上で、一日でも早い競技復帰を目指した治療計画を立ててくれます。手術が必要な場合でも、より侵襲の少ない関節鏡を用いた手術を選択したり、競技復帰に向けた専門的なリハビリテーションプログラムを提供したりと、アスリートに寄り添ったサポートが受けられるのが大きな特徴です。たかが膝の痛みと軽視し、無理をして練習を続けることが、選手生命を縮めてしまうことにも繋がりかねません。スポーツで膝を痛めたら、できるだけ早くスポーツ整形外科の専門医に相談することが、未来の自分のためにも最も賢明な選択です。