子供が熱を出し、喉の痛みを訴えている。そして、ふと見ると舌の先が赤く、つぶつぶしている。これは溶連菌かもしれない、と病院へ連れて行く時、限られた診察時間の中で、医師に的確に情報を伝えるためには、どのような準備をしておけば良いのでしょうか。正しい診断と治療に繋げるためのポイントを解説します。まず、医師に伝えるべき最も重要な情報は、症状がいつから始まったかという時系列です。具体的には、「昨日の朝から三十八度の熱が出ました」「今日の昼頃から、舌の先が痛いと言い始めました」というように、具体的な日付や時間とともに伝えられると、医師は病気の進行度を把握しやすくなります。次に、舌の状態を具体的に説明することです。「舌が苺みたいになっています」という表現は非常に分かりやすいですが、それに加えて、「舌の先端部分が特に赤いです」「最初は白い苔みたいのがあったけれど、今は赤いつぶつぶだけです」といった、気づいた変化をそのまま伝えましょう。舌の状態は刻々と変化するため、受診前の状態を伝えておくことは有益です。さらに、舌以外の症状も漏れなく伝えることが重要です。喉の痛みの程度、咳や鼻水の有無、そして体の発疹の有無は必ず確認してください。服をめくって、お腹や背中に細かい赤い発疹が出ていないかチェックしておきましょう。食欲や元気の度合い、水分が摂れているかどうかも大切な情報です。これらの情報を、事前にメモにまとめておくと、診察室で慌てずに済みます。病院では、医師が喉や舌の状態を視診した後、溶連菌が疑われる場合は、喉の奥を細い綿棒でこする迅速抗原検査を行うのが一般的です。この検査は五分から十分程度で結果が分かり、その場で診断が確定します。舌先の小さな変化は、親だからこそ気づける重要なサインです。そのサインを的確な言葉で医師に伝えることが、お子さんを辛い症状から早く解放するための第一歩となるのです。