すねを押してへこんだまま!まず何科へ行くべきか
ふと気づくと、靴下の跡がくっきりと残っている。あるいは、指ですねを押してみると、へこんだままなかなか元に戻らない。このような症状に心当たりがある方は、単なる「むくみ」と片付けずに、一度立ち止まって考える必要があります。この、押した跡が残るむくみは「圧痕性浮腫(あっ痕せいふしゅ)」と呼ばれ、体からの重要なサインである可能性が隠れています。では、どの診療科を受診すれば良いのでしょうか。もし、これといった原因に心当たりがなく、特に息切れや体のだるさといった他の症状も伴う場合は、まず第一に内科、中でも心臓や血管を専門とする循環器内科を受診することを強くお勧めします。なぜなら、すねのへこみの背景には、心臓や腎臓、肝臓といった生命維持に不可欠な臓器の機能低下が隠れているケースが少なくないからです。例えば、心臓のポンプ機能が弱まる心不全になると、全身の血流が滞り、特に重力の影響を受けやすい足に水分が溜まりやすくなります。また、腎臓の機能が低下して余分な水分や塩分を排泄できなくなったり、肝臓の病気で血液中のたんぱく質が減少したりすることでも、同様のむくみが起こります。内科、特に循環器内科では、問診や聴診、血液検査、尿検査、心電図、胸部レントゲンといった検査を通じて、これらの全身性の病気がないかを総合的に評価してくれます。もし、より専門的な診断が必要な場合は、そこから腎臓内科や消化器内科など、適切な科へ紹介してもらえるため、医療の入り口として最適です。自己判断で様子を見たり、マッサージなどでごまかしたりする前に、まずは体の内部で何が起きているのかを専門家に診てもらうこと。それが、安心への、そして的確な治療への最も確実な第一歩となるのです。