発熱と顔のむくみ、この二つの症状が同時に現れた時、特に注意深く観察すべきは腎臓のコンディションです。私たちの体にある腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排泄する、いわば体の浄水フィルターのような役割を担っています。この腎臓の機能が何らかの原因で急激に低下すると、体は水分や塩分をうまく排出できなくなり、むくみとなって体に現れます。特に、まぶたや顔周りは皮膚が薄く、むくみが目立ちやすい場所です。そして、腎臓で炎症が起きている場合、体は発熱という形で反応します。この状態を引き起こす代表的な病気が、急性糸球体腎炎です。これは、溶連菌などの感染症にかかった後、数週間経ってから発症することが多く、免疫反応の異常が腎臓の糸球体というフィルター部分を攻撃してしまうことで起こります。顔のむくみや発熱の他に、尿の色がコーラのように濃くなったり、尿量が減ったり、血圧が上昇したりといったサインが見られます。また、ネフローゼ症候群という病気では、尿から大量のたんぱく質が漏れ出てしまうことで血液中のたんぱく質が減少し、血管内に水分を保持できなくなって強いむくみを引き起こします。こちらも感染症などをきっかけに発症し、発熱を伴うことがあります。これらの腎臓の病気は、放置すると腎機能がさらに悪化し、将来的に人工透析が必要になる可能性もあるため、早期発見と早期治療が極めて重要です。専門となる診療科は、腎臓内科あるいは一般の内科です。尿検査や血液検査で腎機能の状態を調べれば、診断は比較的容易です。もし、発熱と顔のむくみ、特に朝起きた時のまぶたの腫れがひどいと感じたら、それは腎臓からのSOSサインかもしれません。安易な自己判断はせず、速やかに医療機関を受診してください。